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小型右手専用マウスの完成形「Roccat Kone Pure Owl-Eye」

ふらりと寄ったツクモ名古屋1号店で触って、即買いした。

今回レビューするのは、ROCCATが贈るゲーミングマウス『Kone Pure Owl-Eye』だ。Kone Pureシリーズは2013年に初登場して以降、小ぶりな左右非対称ゲーミングマウスとして一定の支持を得ていたモデルシリーズだ。今回レビューするKone Pure Owl-Eyeは、2017年にOwl-Eyeと名付けられた新型センサーの搭載などいくつかの改良を施されたリメイクモデルとなる。

センサー Owl-Eye オプティカルセンサー
センサータイプ 光学式(オプティカル)
解像度 最大12,000dpi
加速度 50G
トラッキング速度 250IPS
レポートレート 最大1000Hz
ボタン数 7
サイズ 118(D)mm x70(W)mm x39(H)mm
インターフェイス USB
ケーブル長 1.8m
重量 88g(ケーブルを除く)
対応OS Windows 10 / Windows 8 / Windows 7
市場想定価格 8,618円(税抜)

日本人の小さな手にフィットする小ぶりなデザインは「つまみ持ち」に最適

まずは外観からチェックしていこう。Kone Pure Owl-Eyeは、左右非対称のエルゴノミクスデザインを採用した右手専用のゲーミングマウスだ。上部から見ると若干捻れたようなデザインになっていて、左側面の親指部分は大きなくぼみが設けられ、右側面の薬指・小指部分もなだらかなにシェイプしていくような形状になっている。本体サイズは118(D)mm x70(W)mm x39(H)mmとなっていて、118mmという奥行きサイズは左右非対称マウスの定番である「Raze Deathadder」シリーズの127mmと比較しても、かなりコンパクトに設計されていることが分かる。また、重量に関してもケーブルを除いて88gと、左右非対称マウスの中ではかなり軽量の部類に入る。

ボタンは左右メインボタンとスクロールホイール、サイドボタン2つ、スクロールホイールの下の解像度切り替えボタン2つで合計7ボタンとなっている。メインボタンの押し心地については柔らかめだがクリック感はしっかりしていて、押下した後の跳ね返りも問題なく、全体的に良好な印象だ。また、キースイッチはOMRON製の「D2FC-F-K(50M)」を採用しており、5000万回の押下耐久性を謳っている。

2D Titan Wheelと名付けられたスクロールホイールは、クリック感が少ないソフトなタッチながらもしっかりしたノッチがあり、ゲーム中にスクロールが誤反応してしまうようなことは一切なかった。上記のボタンを含めて、メカニカル部分の完成度は総じて高い印象を受ける。

その他、細いながらもしなやかで抵抗感が少ない布巻きケーブル、1680万色のカスタマイズが可能なLEDイルミネーション、合計17個のキー割り当てが可能と謳うEASY-SHIFT[+]™ テクノロジーなどが、主なKone Pure Owl-Eyeの機能になっている。

次に形状デザインの持ちやすさについてだが、左から『つかみ持ち(Claw Grip)』『つまみ持ち(Fingertip Grip)』『かぶせ持ち(Palm Grip)』のつもりで実際に持ってみた写真になる。どの持ち方でも高いグリップ感が得られるが、特に印象的だったのが『つかみ持ち』と『つまみ持ち』だ。左側面に設けられた大きなくぼみに親指の先端から第一関節がしっかりフィットし、右側面も薬指とエッジ部分の引っ掛かりのおかげで高いグリップ感がある。『つかみ持ち』や『つまみ持ち』ような不安定な持ち方をしても一切ブレず、かといって持たされている感も少なく非常に自然に持つことができる。また、重量も88gと軽いこともあり、支点の少ない持ち方でも疲れやストレスを感じることがなく、スムーズにマウスを動かすことができる。

これは、他の左右対称デザインのマウスや、いわゆる”IEクローン”のような大型の左右非対称マウスにはない使用感で、小型軽量でありながら右手専用としてがっつりとしたエルゴノミクスデザインを採用しているからこそ得られるものだろう。筆者の持ち方は『つかみ持ち』に近いためにこれまで左右対称デザインのマウスを好んで使っていたが、このマウスはそんな筆者でもすんなりと受け入れられ、かつ非常に印象的なグリップ感を得られている。また、表面の塗装はサラサラとした質感のグリップコーティングは手にしっとりとまとわりつく手触りで、手汗などで滑る心配もないだろう。上記の点から、マウスボディの完成度は非常に高いという評価だ。

ROCCAT Swarm

次に、ソフトウェアのROCCAT Swarmを見ていこう。Kone Pure Owl-EyeはWindows標準のUSBドライバで動作し、512KBのオンボードメモリを備えているため、一度ソフトウェアで設定さえ入れ込んでしまえば、後はいわゆるプラグアンドプレイのような感覚で扱うことができる。その設定を入れ込むための統合ソフトウェアが、このROCCAT Swarmだ。

まず基本的な設定項目として、『感度オプション』『縦スクロール速度』『横ティルト速度(Kone Pure Owl-Eyeはチルトホイール未搭載のため無関係)』『ダブルクリック速度』『DPIスイッチャー』『Windowsポインター速度』がある。大部分はWindowsのマウス設定項目をドライバソフトウェアに統合したようなものだ。DPIスイッチャーはマウス本体に備えられている解像度切り替えボタンに割り当てるマウス解像度を100~12000dpiの間で100dpi刻みで5つのプリセットとして設定できる。不要なプリセットは無効化できるため、筆者も400dpiと800dpiの2つだけを割り当てている。

高度な設定項目としては、『ポーリングレート』は125/250/500/1000Hzで切り替えが可能だ。次に珍しいのが『サウンドフィードバック』という項目。これはマウス解像度の切り替えなど設定の変更を行った際に音声でその変更を知らせてくれるというもので、例えばマウス解像度を400dpiから800dpiに切り替えたなら「エイトハンドレットディーピーアーイ・・・」と流暢な英語で知らせてくれるという、なんともシャレオツな機能だ。頻繁にマウス解像度の切り替えをする人なんかは、設定しておくと現在の解像度が分かりやすくなるので便利かもしれない。

次に『ディスタンスコントロールユニット』だ。こちらはセンサーのリフトオフディスタンス(マウス本体を持ち上げた際にセンサーが反応しなくなる距離)を『最低』『低』『カスタム』から設定することができる。『カスタム』はキャリブレーションを行うことで独自の設定が可能だ。

『イルミネーション』はLEDライティングのオン/オフ、LEDカラー、ライティングエフェクトのタイプ、速度、カラーフローなどを設定できる。カラーは3原色を0から255の間で指定するRGB方式になっていて、カラーリングパターンはおよそ1680万パターンとなる。

この他にも、ALIENWAREのゲーミングPCとLEDライティングをリンクすることができる『ALIENFX™』、ROCCATデバイス間で同じくライティングをリンクする『TALK FX』などの機能も利用できる。ROCCATはSwarmのことを”未来志向の拡張ソフトウェア”を称しており、デバイスの制御だけではなくデバイス間のリンクによる相乗効果を推し進めていくようだ。

センサー


冒頭でもお伝えしたが、Kone Pure Owl-EyeのセンサーにはROCCATがOwl-Eye Optical Sensorと名付けた独自の光学式センサーが搭載されている。このセンサーの正体に関しては既にROCCATが公式サイトにて公表している通りPixart PWM3361をROCCATマウス向けに独自調整したものだ。最大12000dpiのセンサー解像度というスペックを備えているが、ROCCATはOwl-Eyeの開発において「400-3000dpiが黄金範囲で、その範囲であれば最高の精度を実現できる」と語っており、400-3000dpiの範囲で使用することを推奨している。では、スペック上の最大値である12000dpiで動作するとどうなるのかを含めて検証したい。

センサーの精度をMouseTesterにて検証してみた結果が上記の画像になる。
解像度は400dpi、800dpi、1600dpi、そしてROCCATが推奨する”黄金範囲”の最大限度である3000dpiの4つの解像度で検証してみた。この表はX軸(水平方向)にマウスを動かした際にどれだけ精密にトラッキングができているかを示すもので、波打つラインがキレイに生成され、かつ点がライン周辺に集束していればしっかりとしたトラッキングができているというものだ。

400dpi、800dpi、1600dpiではキレイな波形を刻んでおり良好なトラッキングができているが、”黄金範囲”の3000dpiでは波形の頂点、つまりマウスを急減速し切り替えした際に波形の乱れとカウント飛びが見られた。

次に、12000dpiで検証した画像が左になるが、こちらも3000dpiでの動作と同じように切り返しの際のカウント飛びが確認できた。しかしながら、これはあくまでデータ上でそうなっているというだけだ。右の画像は12000dpiで動かした際の実際の軌跡になるが、実際の動きでは怪しいラインは刻んでいない。筆者が実際に3000dpiでゲームをプレイした際も、怪しい挙動やポインタが飛ぶような動作は一切見受けられなかった。

これらの検証はあくまでデータ上のものとした上で検証結果を真に受けるのであれば、低い解像度であったほうが高い精度を実現できるというROCCATの説明に間違いはなさそうだ。”黄金範囲”としている3000dpiにおいてトラッキングの乱れが確認されたのはちょっとばかり残念だが、ROCCATも謳っているとおり大半のユーザーは2000dpi以下の解像度を好んでおり、それ以下の解像度で良好な結果が得られているため、特段気にする必要はないだろう。当レビューの結論としては、400dpiから1600dpiの間での使用をお勧めしたい。

総括:小型左右非対称マウスの完成形。完成度は極めて高い。


Kone Pure Owl-Eyeに対する筆者の感想としては、とにかく完成度が高いの一言に尽きる。小型ながら高いホールド感があり、それでいて持ち方を選ばないマウスボディ。ソフトながら質感の良いボタン・ホイール。幅広い設定が可能なSwarmソフトウェア。そして高いトラッキング性能を持つOwl-Eyeセンサー。現時点で非の打ち所は見当たらない。

2018年10月現在の価格.comにおいての最安値は7,685円(税込)となっており、競合製品にLogicool G PRO Gaming MouseRazer DeathAdder EliteBenQ Zowie EC2-Aなどが位置する激戦区のミドルレンジクラスの価格帯だ。

同価格帯のライバル製品はとても多いが、その中でも小型でありながら高いホールド感を実現したKone Pure Owl-Eyeのボディデザインは非常に魅力的だし、読み取り性能に関してもライバルと互角に戦えるほどだ。もしあなたがこの価格帯のゲーミングマウスでお悩みなのであれば、Kone Pure Owl-Eyeは間違いなく選択肢に入れるべきだろう。それほど、Kone Pure Owl-Eyeは完成度の高いマウスだ。